以前から気になっていた動画編集ソフト、「DaVinci Resolve」をUbuntu環境にインストールして使っていきます。
使用時ちょっとトラブルがあったので、そのへんも覚書として記事にしますが今回はインストールまで書きます。
「DaVinci Resolve」自体は以前Windows(RTX 3060Ti環境)でインストールして使用した事があったのですが、Ubuntuでは状況が少々違います。
今回のインストール方法は非公式なものです。
「DaVinci Resolve」のLinux版は公式に存在しますが、CentOS/RHEL/Rocky などの 「RPM系ディストリビューションを主にサポートしている」ということであってUbuntuなどのdebian系は正式にサポートされていません。
これを、第三者の変換ツールであるMakeResolveDeb を使用して、deb形式ファイルに変換しUbuntu/Debian 系ユーザーでもインストールしやすくしたものを使います。
ですので、アンインストールやトラブル発生時に サポートを受けづらい可能性がある点は覚えておいてください。
ただ、自分が試した限りですが
sudo apt remove davinci-resolveでアンインストールすることは問題なくできました。
それではやっていきましょう。
その前に環境を確認
環境によってうまく動作しない場合があるようです。
今回自分が試した環境を書き留めておきます(2025/11/8時点)。
- OS:Ubuntu 24.04.3 LTS (Noble Numbat)
- カーネル:6.14.0-35-generic(HWE版)
- HWEスタック:linux-generic-hwe-24.04 パッケージ群インストール済み
- GPU:AMD Radeon RX 9060 XT
- ドライバ:ROCm 7.1.0
lsb_release -d
uname -r
apt list --installed | grep hwe上記は、自分の環境を調べるときに使うコマンドです。
cat /opt/rocm/.info/version上記は、ROCmのバージョンを調べる方法。
もっと詳しく調べるには
hipconfigも良いんじゃないでしょうか?
ROCmOpenCLのインストール
ROCmのインストールはこちらの記事を参考にしてください。
「davinci resolve」の動作には主に「openCL」が重要になるとのこと。で、必ずしもROCmが必要ということではないようですが、「–usecase=graphics,rocm」で自分の環境では動いています。
追記
あれから少し調べてみましたが、「davinci resolve」は現状「OpenCL」か「CUDA」でしか動かないみたいです。
ROCmでも動くというニュアンスで記事を書いていましたが、間違いでした。訂正します。というか、バイナリファイルのように単体で動作するソフトは実行時にROCm(というかHIP)でどうにかできるものではないとのこと。HIPをとおすにはまずソースコードが必要になります。
OpenCLのインストールはこの記事を参考にするんですが、「--usecase=graphics,opencl」 や 「--usecase=hip,graphics,opencl」などのように、OpenCLを明示して導入してください。
一応「–usecase=graphics,rocm」でもOpenCLはインストールされますが、OpenCLを明示した方が確実でしょう。
DaVinci_Resolve(Linux版)をダウンロードする
上記サイトから「DaVinci_Resolve(Linux版)」をダウンロードしましょう。






展開してみましょう。

MakeResolveDebをダウンロード
上記リンクから、「MakeResolveDeb」をダウンロードします。




debファイルを生成、インストールする
ではdebファイルを生成しますが、その前に必要なファイルをインストールしておきます。
sudo apt install fakeroot次にdebファイルの生成。
./makeresolvedeb_1.8.3_multi.sh DaVinci_Resolve_20.2.3_Linux.run

sudo dpkg -i davinci-resolve_20.2.3-mrd1.8.3_amd64.deb 
もし、アンインストールしたい場合は
もし、なんらかの不具合があってアンインストールしたい場合は
sudo apt remove davinci-resolveを実行しましょう。
起動して動作テスト
では、先程できた「DaVinci Resolve」アイコンをクリックします。


以前、llama.cppをブラウザで使う記事を書きましたが、その時に使った動画です。
実は不要な部分をカットしたかったのですが、編集ソフトを用意していなかった為そのまま掲載しました。
こちらを編集していこうと思ったのですが、ここでトラブル発生。


実はこのトラブルすでに解決しているのですが、ちょっと記事が長くなってしまったので一旦ここで切りますね。


コメント
はじめまして
toaruさま
サカグチTと申します
Linuxは完全素人でWindows11を使用しております
davinci resolve と ROCm7 で検索して
toaruさまのサイトにたどり着きました
いまHDR動画を楽しんでおりまして
旧GPUではAIノイズ除去が激重orエラーだったため
Radeon RX 9060 XT 16GB を購入したのですが、それでも重くて
来年予定のwindows版ROCm7が出たら高速化するのかなー、と調べておりました
そこで
toaruさまに質問があります
davinci resolve 20.2.3 の環境設定の「メモリー&GPU」の設定のところで
「GPU処理モード」のところが私は「OpenCL」になっておりますが
ROCm7が入ってる状態だと「ROCm7」等が選べる状態になっていたりするのでしょうか?
大変お忙しいとは思いますが
教えていただけると嬉しいです
よろしくお願いいたします
コメント、ありがとうございます。
現在Intel Arc環境に移行してしまっているので、すぐに確認することができません。
「GPU処理モード」については、時間をとって確認してみますね。
「davinci resolve」は実は自分もど素人です。ちょっと動画をカットしたことがある程度なので・・・。
返信ありがとうございます
私のためにGPU差し替えとかは、さすがに申し訳ないので大丈夫です
軽い気持ちで質問してしまい、申し訳ありませんでした
Intel ArcはB580を最後の最後まで悩みました
VRAM12GBで安かったですし
あとPro B50まで待とうかとも悩みました
VRAM16GBでしたので
でも、6万円いきそうなのであきらめました
そしたらなんと
toaruさまはPro B60なんですね!
凄い気になっていたので
あとで記事を読ませていただきます
そういえば、Youtubeで「【ROCm】ComfyUIをWindows+Radeon環境にインストールする」という動画があるんですが、
ここのコメント欄に「8/28更新 HIP SDK for Windows 6.4がリリースされたので、RX9060XTやRX9070XTでも動くようになりました!」
という書き込みがありました。ROCm6.4だそうですが、こちらは試されましたか?
コメント確認しました
調べてみようと思います
CUDA帝国とROCm7の逆襲
みたいな記事があったりして
ROCm7に凄い期待が膨らんでしまい
その勢いでtoaruさまにコメントしていましました
とりあえずインストール方法等を探して
ROCm6.4インストール後、新しい選択肢が出てくるのか
調べてみたいと思います
ありがとうございました
自分はもうWindowsは全然触ってないのでこの辺の情報はまだよくわからないのです。ごめんなさい。
「davinci resolve」はComfyUIと違ってpytorchのインストールは必要ないので、
もし本当にROCmとHIPがWindowsでも動くのなら
venvなどの仮想環境は必要なしにそのまま「davinci resolve」でGPUアクセラレーションされると思います。
満足なパフォーマンスかどうかはわかりませんが・・・。
Pro B60は買ってみたのは良いものの、後悔しています。
もうちょっと頑張って「Radeon AI Pro R9700」にすれば良かったかな・・・。
ROCm6.4 インストールしてみました
davinci resolveの選択肢にOpenCL以外の(ROCm等の)新しい選択肢が出てきたワケでもなく
動画をエンコードしてみましたがAIノイズ除去のパフォーマンスが上がったワケでもなく
ROCmというものが私の想像していたものではなかったのか
もしくは私の設定等が間違っているのか
だと思います
色々お手数をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした
アドバイスもありがとうございました
おかげさまでROCmのdavinci resolve上での確認をすることができました
toaruさまのアドバイスが無ければたどり着けなかったと思います
ありがとうございました
追記になります
『roCm 6.4 windows版 davinci resolve 使い方』の検索結果にでてきたGoogleのAIを信じれば、の話になりますが
「Windows版のDaVinci Resolveは、現在、AMD GPUの計算処理に主にOpenCLを利用しており、Linux版のようにROCmを直接利用する公式なサポートはありません。ROCm 6.4.xのWindows版は、主にPyTorchなどの特定の機械学習アプリケーション向けにプレビューリリースされています」
と、ありました
返信ありがとうございます。
UbuntuでのDaVinci Resolveの動作確認は時間をとってやってみたいと思っています。
一応Pro B60でDaVinci Resolveをインストールしてみましたが、OpenCLしか選べませんでした。
更にGPUの名前は表示されているけどグレーアウトしてます。
AIのノイズ除去というのがどういうものかわからないので、パフォーマンスの確認はできませんが
ArcでDaVinci Resolveは現状無理があるかもしれないです。
RX9060XTでの動作確認が取れ次第、このコメント欄で返信しますね。
ありがとうございます
返信ボタンが無かったので、こちらにコメント書き込みました
ROCm7に関しましては私の見当違いという可能性もあり
toaruさまの検証が無駄に終わってしまっても申し訳ないので
無理のない感じでお願いいたします
『AIノイズ除去』はdavinci resolveの有償版にある機能で
効果は素晴らしいのですが重くて重くて
旧GPUのGeForce GTX 1660 SUPERの時は1秒に2.5フレームしか処理してくれず
Radeon RX 9060 XT 16GBに替えることで、それはもう凄い速くなるんだろうと期待していたら
1秒に3.5フレームしか処理してくれず
たった1フレームしかスピードアップしないのか、とショックをうけ
どうにか早くならないモノかとROCm7やZLUDAを検索して、
toaruさまのサイトにたどり着いたというのが
大まかな流れになります
あれからちょっと調べたのですが、ROCm(というかHIP)は
「ソースコードをROCmで動作するよう再コンパイルするための API 互換レイヤー」とのことで
「davinci resolve」のようにすでにファイル単体で動作するバイナリファイルになってしまっている場合は
HIPをもってしてもどうしようもないとのことです。
なので、「davinci resolve」はLinuxで動かしても「OpenCL」でしか動かないみたいですね。
HIPを使うにはオープンソースのようなソースコードが公開されているものでなければならないということです。
思えば「ComfyUI」にしても「Whisper」にしてもオープンソースでした。
ということで、「Radeonで「DaVinci Resolve」を使う「前編」(Ubuntu編)」の記事も少し修正しておきました。
惑わせてしまって申し訳ありませんでした。
toaruさま
ありがとうございます
ホントにありがとうございます
わたし一人のチカラでは、ずっと勘違いしたままでした
勘違いの原因は決して
toaruさまの記事ではありません
私が最初から
「ROCm7入れたらCUDAもしくは似たようなものが使えるんだろうなぁ」と勘違いしていたからです
こちらこそ
色々とご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした
いえいえ、こちらこそ。
ブログの記事のネタになるかなぁって思って調べていたのが本音でして。
HIPについては自分にとっても勉強になりました。
今回はお互いに良い勉強の機会だったということで。
これからも、気が向いたらブログを読みに来てくださいね!