はじめに結論から言ってしまいますが、自分が試した範囲では「Intel Arc Pro B60」は12万円の価値はありません。
もちろん「Arc Pro」の付加価値があれば評価はもっと変わってくるかもしれません。
ですが、いまのところ「Intel Arc Pro B60」は「Intel Arc B580」のVRAM増量版です。
自分が「Arc B580」を発売日に購入したのが52000円くらいでした。
VRAMが倍増したからといってこれが12万となると、何か付加価値を求めたくなります。
確かに24GBのグラフィックスカードはあるだけで貴重ですが、現在では「Radeon RX7900XTX」がほぼ同価格で存在します。
自分が使ってきた限りですと、ROCm(というかHIPかな?)の使い勝手は非常に良い感じです。
性能で言えば、「Intel Arc Pro B60」は「RX9060XT」に全然追いついてません。
まして「Radeon RX7900XTX」には及ぶはずもありません。
8万円台なら(物珍しさもあって)まぁ選んでも良いかなくらいだと思います。
追記(2025/11/25)
今回の記事で使用させていただいたちもろぐ氏のベンチ結果ですが、「Arc B580でも動く」というニュアンスで受け取ってしまわないよう追記しておきます。
360pのベンチ結果で使用VRAMが17GBを超えていることからもわかるとおり、12GBのB580では満足に動きません。それはちもろぐ氏の検証結果のとおりです。(モデルをQ2_Kに変更すれば360pくらいはいけるかもしれません)。
B60がB580のVRAM増量版だと思ったのは、まだ記事にはしていませんが自分で用意した他のテスト結果から判断したものです。間違えないようお願いします。
とりあえず、まずは動画生成でテスト
ちもろぐ氏の動画生成ベンチを使わせてもらおうと思います。

以前のArc B570では一番軽いベンチを完走すらできませんでした。
とはいえ、そのままではエラーを吐きまくるのでArcでも走るようにいろいろ変更しています。




以上で「Arc Pro B60」でも一応走るようになりますが、もう公平な比較ベンチにはなりませんね。ということで参考程度に見てください。
sageattentionがあればもっと速くなるかもしれませんが、仕方ありません。
自分でビルドして解決するなら良いんですがね。
360p




ちなみに出来上がった動画です。
480p




出来上がった動画です。
720p



この後、画面が暗転したりチラついたりとクラッシュ寸前だったので処理を中断しました。
blocks to swapを使えばいけるかなぁって思ったんですが、こちらもエラーで完走しませんでした。
更に「–novram」も試しましたがこのベンチで使われているカスタムノード「WanVideoWrapper」ではVRAM系の起動オプションは受け付けないみたいです。
最後に
というわけで、動画生成を見ていきました。
Arc B580にVRAMがあったらこのくらいの性能だよね。
まだ「Arc Pro B60」にはLLMがあるじゃん!
って思った方おられるかもしれませんが・・・、まぁその話は別の記事で。
ところで、この記事をご覧の方は途中気になったことは無かったでしょうか?
ありましたよね?

このカードの写真を載せた記事があったと思うのですが、ブロワーファンです。
それが3300回転ともなると物凄い轟音になります。
35秒あたりから回転数が上がり始めます。
Windowsならファンコントロールできるかもしれませんが、Ubuntuだと結構困ることになります。(GPU温度が60℃程度ならもっと回転数を絞っても良さそうなものですが・・・。)
こういったソフトもあるのですが、Arc Pro B60の場合はファンコントロールの部分がグレーアウトしてました。
xpu-managerでは電力制限や温度によるパフォーマンスの調整も受付けない状態です。
さて、どうしたものか。

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